タイトル未定

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 「あんなもの、買わないでよう、お姉ちゃん」  「はぁ?綺麗じゃない………、見てよこの瞳の色」 「いい加減にしなさいよ…。ただでもうるさい妹を興奮させないで」  「………」  ああ、うるさい。そんなにこの子をけなすんだったら、勝手に机の中荒らさないでよ……。  それにしても今までで一番可愛い………ううん、美しい。私の可愛い「ルビ」。今度は絶対、誰にも汚させないんだから………  この宝石のように輝く瞳!なんて息を呑む神々しさだろう。薔薇色の頬も少女らしさが際立って…      私の家族は姉レラと妹フランと私3姉妹でできている。父は…懐かしいくらい前に亡くなってしまっていた。妹なんて顔さえ忘れてしまっていると思う。母はリレシア。父同様穏やかな性格だけど、前みたいな活気は失われているみたいだ。姉さんたちのわがままや卑屈も酷くなっている気がする。   それでも私は変わらない。相変わらず無口で無愛想。私のこのひねくれた性格は、自分が一番わかってるんじゃないかな。  そしてもっと無変のものがある。  「人形への愛」だ。  私の人形への注ぐ愛情は決して変わらない。そう、たとえ人形からは愛されなくても…ね。当たり前のことだけど。    
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