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つられるように付いていくと、まさみさんはトランクを開けた。
「まあ、それだけならそう言えばよかったんだけどね。でも、もう一つ気になる事があったから来たのよ」
トランクの中にはトラロープと複数本の杭、そして大きめの木づちが入っていた。
「これを準備していたから来るのが遅くなったの。ごめんね」
そう言って杭を手にし始めたのを私はぼーっと突っ立ったままで眺めてしまっていた。
「ほら、あなたも手伝って」
そう言われて慌てて私も手を伸ばす。この中で一番重そうな木づちと、まさみさんが持ちきれなかった杭とロープを両脇に抱える。
「あなたがスポーツマンでよかったわ」
いや、スポーツウーマンなんですけど。などと心の中でツッコミを入れながら、歩きだしたまさみさんの後をついていく。
公園の片隅に着くと、まさみさんは手にしていた杭を足元にばらまいた。
「ああもう、本当に重いわね」
私の半分も持っていないのに、などと再び心の中でつっこんでいると、まさみさんは一本の杭を立てて、木づちで叩くように指示してきた。
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