1人が本棚に入れています
本棚に追加
桜の公園
「ううん‥‥‥それは放置でいいわ」
市内探索中に見つけた、明らかにゴミの入ったビニール袋二つの画像をまさみさんに送ったあと、折り返し電話してきて最初の言葉がこれだ。
なんでも市内の不法投棄の数は県内では年々減少傾向にあるらしく、市長もそれをアピールしている手前、余りごみを見つけてもらっては困るのだそうだ。
私としては一つでも多くのゴミを処理してその実績を認めてもらいたかったのだが、これがお役所仕事というやつか。
因みに不法投棄の数はその重さでグラフ化されている。ここ古村市の不法投棄数も年を追うごとに減ってきていたのだが、私が生活環境課に入った年はわずかに増加したのだ。自慢ではないがそれは私の実績と言っていいと思う。
だが、上の人はそれを快く思わなかったらしい。今も昔も真面目が損をする時代なのか。
「一応中身を確認して、投棄者の身元が分かるようなものがあったら警察に通報、そうでなければ無視でお願いね」
私も所詮は社畜、いや役所畜というべきなのか、言われた事には従うしかない。でも、ごみを放っておくのは私の良心が許さないから、せめて可燃ごみと不燃ごみに分類して個人的に処理しようと思う。
最初のコメントを投稿しよう!