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なんだかちやほやされているようで、自然に頬が緩む。肩を叩かれ微笑を絶やさないまま振り向く。
「……これはどういうこと?」
一瞬で顔が青ざめた。振り向いた先に立っていたのがまさみさんだったからだ。そこで我に返った。
公園はすっかり綺麗になっている。本来なら褒められこそすれ怒られることはないはずだ。でも今だけは違う。
「私言ったよね。そのまま待機していろって」
「い、いや、これはその、だって」
私がしどろもどろになっていると、周りのみんなが一斉に私をかばってくれた。
「なんねあんた。掃除したってんに今頃現れて何文句言うん」
「わしらのしたことが間違いやっちゅうんか?」
「気に入らんちゅうならわしら帰るで」
皆に詰め寄られても、まさみさんはそのクールな面持ちを崩すことはなかった。
「失礼致しました。皆様方にはとっても感謝しております。ただ、次回からは私共に連絡下さればご一緒しますので、これからもよろしくお願い致します」
そう言って深々と頭を下げられると、皆も冷静さを取り戻した。まさみさんの凛とした姿に圧倒される者もいたようだ。
「ま、まあわかりゃええんよ」
「そうよね、悪いんはやりっぱの連中で、私らが言い争っても、ねえ」
一応の和解を迎え、改めて皆でゴミを軽トラックに積み込んだ。
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