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 ——好きな人から呼び出されて、体育館裏に向かった。  少し遅れて到着した彼女は、どういうわけか左腕に買い物袋をぶら下げていた。中に入っていたのは、料理に使いそうなサラダ油と、いくつかの調味料と、それから。 「卵?」  思わず漏れ出た疑問は無視された。  彼女はいつも通りの大人びた微笑を浮かべ、空いている方の手で僕の手首を掴む。 「じゃ、行こっか」 「行くって、どこに」 「見たらわかるでしょ。調理室だよ」
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