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これまでの人生、桜に縁のなかった僕が、桜を嫌いな理由に終止符を打つ。
佐倉茉里ちゃんと出会えた事が、僕にとってかけがえのない人生で一番の嬉しい縁だ。
きっと、僕が今まで桜に縁がなかったのは、茉里ちゃんというさくらに出逢うためだったんだと、そう思えて仕方がない。
「朔良、すごく嬉しそう」
目の前にいる純白で今までのどの時よりも美しく微笑む茉里ちゃんの姿に、思わず感極まって涙が溢れそうだ。
「そりゃ嬉しいに決まってる」
大好きなキミをこれから先ずっと幸せにしていけると思うと、僕の心の中には満開の桜が咲き誇っているんだよ。
茉里ちゃんのお腹には新しい命。今はまだ豆粒くらいに小さな赤ちゃん。
もう、桜を嫌う理由もなくなった。この子の節目には、いつの時も満開の桜が咲いていることを、僕は心から願っている。
でんぶにも相変わらず僕は好かれているし、来年からは家族みんなで幸せなお花見になること間違いなしだ。
祝福の鐘が鳴る。
僕と茉里ちゃんは、喜びにキスをした。
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