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「えっ……」
だ、だって。
だってだってだって!
もう三ヶ月くらい経つのに!
あのクリスマスの日以来、
俺たち、
一度も、
え……え……えっち、してない。
ま、毎日するようなことじゃないっていうのはなんとなく分かってるけど、それでも、三ヶ月っていうのは、や、やっぱり、長いんじゃないか……って。
あれおかしいなって思って、なんでだろうって考えて、もしかして、あの時俺が泣いちゃったからかなあ、って思って。
クリスマスの時は必死だったから、百合ちゃん先輩にいっぱい相談して、自分で準備できたし、正直、指を、そ、そこに、その、つ、突っ込むのは、ちょっと、や……だったけど、でもそれができないと佐藤先輩には伝わらないよって、百合ちゃん先輩にそう言われて、頑張ったらできたし、自分でできたし、だから、佐藤先輩の指が、その、は、入ってきた時も、が、我慢できたし、先輩は、すごくすごく優しくて、ずっと俺に「大丈夫?」って聞いてくれて、ゆっくりゆっくりしてくれて、だから大丈夫って、怖くないって思ってたのに、先輩のちん……そ、それを見たら、俺のと全然違って、で、でかいのがガッチガチになってて、そんなのをお尻に入れるなんて、ってやっぱりちょっと怖くなって、気がついたら、涙が出てた。
先輩は「今日はやめる?」って俺を気遣ってくれたけど、俺はどうしても先輩とくっついていたくて、だから「やめないでっ」って縋りついて、そしたら先輩が
「わかった」ってちゅーしてくれて、気持ちいいな……って思ってたら、先輩のそれが俺のなかに入ってきて、息ができなくなって、俺は、また泣いた。
わけがわからないまま世界ががくがく揺れて、じんじん痛かったそこがだんだん気持ち良くなってきて、先輩に「ぎゅーして」っておねだりして、ぎゅーしてもらったらお腹とお腹がくっついて、俺はそれだけで嬉しくなって、やっぱり泣いた。
俺がイクたびに先輩は「かわいい」って笑って、おっきくなったそれでいっぱい奥をトントンしてくれて、最後は「好きだよ」って耳元で囁いてくれて、俺はまたどうしようもなく泣きたくなって、先輩と抱き合いながら、一緒にイッた。
俺は先輩とひとつになれたことが嬉しくて、ただ幸せな気持ちでいっぱいだったけど、終わってみたら涙と汗とせい……い、いろいろドロドロでぐちゃぐちゃになっちゃってたし、先輩の理想のえ……えっち……とは違ったのかもしれない。
もしも俺のこと嫌になっちゃってたらどうしようって不安だったけど、百合ちゃん先輩に聞いたら、それは絶対ないから心配するなって。
だから、俺はリベンジするんだ。
今度こそ、先輩と理想のえ……え……えっち、するんだ!
「先輩の家、行きたい。だ、誰も、いない時に……」
「……」
「だめ……?」
学ランの端っこを引っ張ったら、先輩の目が丸くなった。
紺色の生地が指の間からすり抜けそうになって、慌てて指先に力を込めるけど、上から降ってくる沈黙が重くて、怖くて、震えてうまくできない。
もしも、先輩はもう俺のことなんて何とも思ってなかったら?
上手に、え、えっちできなかったから、俺のこと嫌になってたら……?
顔を上げればすぐそこに大好きな先輩がいるのに、その大好きな声で紡がれる言葉が怖い。
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