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―――やはり、僕の読みは当たっていた。
「仮説2、アレルギー」と口にしたとき、一番初めに僕の方を振り向いた人は2人。あの女性と、もうひとり。背の高い男だった。
聞いたところによると、あいつはここのレストランの料理長であった。
それから、僕らが「毒入りシュークリーム」と結論づけたとき。その後男は部屋を後にした。それはなぜか。ここは憶測だが、おそらく僕のそれまでの推理を聞き、僕が真相にたどり着くかもしれないと考えたからではないだろうか。だから、一刻も早くこの場から逃げようとした。アレルギーの事故だということで終わらせる気だったのが僕のせいで不可能になったから。
警官の方々にここまで推理を披露していたら、
「君は探偵かね?」
と聞かれたので、
「普通の物書きです。常に、物語にできそうなことはないかと色々なことに興味を持ち、疑問を持つことを大事にして生きてます。」
と、返した。
彼らは妙に納得した様子であった。
そして最後に。
――これは、僕が推理を披露したあとで、警官の方々から聞いた戦略。
「犯人だ! 追いかけろ!」と、あえて大勢の中で叫ぶ。その中で走り出した人物、それが犯人。
要するに、カマをかけるということである。
料理長――いや、犯人――は、見事にこのカマに引っかかった。
この人が犯人だと、僕は確信を持った。
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