告白

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告白

 明日で婚約から1ヶ月という日‥‥‥私はある決意を胸に、殿下の帰りを待っていた。夕食を一緒に食べたあと、殿下に「お話があるので、少しよろしいですか?」と言うと、殿下は怪訝な顔をしながらも、向かいのソヘファーへ座ってくれた。 「あの‥‥‥」 「うん?」 「明日で1ヶ月経つと思うのですが‥‥‥」 「そうだね」  私は予め用意していた箱を殿下の前に差し出すと片膝をつき、頭を垂れた。 「私、ジョゼフ・クラウドは、ギルバート・シュテファンを愛しています。健やかなる時も病める時も共に過ごし、愛し続けると誓います」 「‥‥‥え?」 「どうか私と結婚してください」  私がテーブルに置いた箱を更に奥へ差し出すと、殿下は受け取ってくれた。 「すみません、1ヶ月経ったので‥‥‥ケジメはつけたほうがいいと思って‥‥‥嫌でしたか?」 「‥‥‥」  殿下は無言で首を横に振っていた。箱の上に雫が落ちる。殿下をよく見ると号泣していた。 「えっ、なんで‥‥‥」 「ごめっ‥‥‥嬉しくて。疲れてるから涙腺ゆるんじゃって‥‥‥」  私は殿下の側へ行くと、そっと抱きしめた。しばらくそうしていたが、泣き止むと私の方を見て言った。 「開けていい?」 「はい」  中には私が用意したシルバーのリングが2つ入っていた。1つはセンターストーンに青い宝石、ブルーサファイアが埋め込まれた物。もう1つはセンターストーンに黒い宝石、ブラックダイヤモンドが埋め込まれた物である。どちらも首から下げられるように、付属のチェーンがついている。 「黒いのが私の?」 「はい」 「嵌めてくれる?」  私が殿下の手を取って、左手の薬指に指輪を嵌めると、殿下は私に青い宝石のついた指輪を左手の薬指に嵌めてくれた。殿下は指輪を見ると再び号泣していた。 「ずっと、不安だったんだ。明日にでも、嫌になって帰っちゃうんじゃないかって。だから、なるべく考えないようにしてた。でも、まさかこんな物をくれるなんて思ってなかったから‥‥‥」 「ギル、お待たせして申し訳ありません。これからも、お側に置いていただけますか?」 「もちろん。帰りたいって言っても、もう離さないからね!!」 「はい。覚悟しておきます」  殿下は私の頬に手に触れると、私の唇に唇を重ね合わせた。  そして、その日は空の色が白み始めるまでお互い求め合い、愛を確かめ合ったのだった。
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