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(いや、まって。まだ結論出すのは早い)
私はもう一度スミアリアの日記を開く。今度は我を忘れないように気を引き締めてページを捲っていった。
「前日の日記はこれだよね」
今日の日付は分からないが、文字が書かれている最終ページが昨日の日付だろう。スミアリアは毎日欠かさず日記を書いているのだと小説に書いてあった。
先程リリーラが半日眠っていたと私に言っていたのを思い出すと、スミアリアが怪我を負ったのは今日の事であり、昨日はまだ怪我を負っていなかった筈だ。
私は長く書かれた日記を注視して読んでいく。何かヒントはないだろうか。すると最後の一行にこんな事が書かれていた。
『明日は楽しみですわ。あの方に会えるのですから』
「あのかた……?」
私は一人呟いた。あの方とは誰の事だろう。会うのが楽しみという事はアンゴットの事だろうか。いやしかしそれならアンゴットだと書くはずだ。では一体……
『コンコン』
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