僕は、そんな彼女に恋をした

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　彼女は、僕の幼なじみで恋人だ。
　幼稚園の頃から付き合っている。
　一方的に告白されて、彼氏にされてしまった。

　欲望に忠実な人で、小さな頃は、特に、あれがしたい、これがしたい、あそこに行きたい、これが欲しい、と、まあ、際限なく要求された。

　と言っても、子どもの言うことなので、
「公園に行きたい」と言ったら、手を引いて公園に連れて行き、「ぶらんこに乗りたい」と言ったら、ぶらんこに座る彼女の背中を押してやる、といった感じで、かわいいお願いが多かったけど。（「弟が欲しい」と言われた時は、どうにもならなかった……）

　幼い僕は、琴子ちゃん（彼女の名前）が頼むなら、と彼女の希望を叶えようとがんばった。そして、願いがかなうと、彼女は、いつも、

「ありがと」

　と言って笑うと、目を閉じて、唇を突き出し、チュッ、と僕のほっぺにキスをしてくれた。

　僕は、子ども心に、胸がどきどきして、嬉しくなったことを覚えている。