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「じゃあ」
そう言って琴子が微笑んだ。
「じゃあ」
そう言って僕も微笑む。
さっきまでの鬱々とした気持ちは、どこかに吹き飛んだようだった。
琴子は、胸のあたりで小さく手を振ると、アパートの門をくぐった。
僕は彼女の背中を見送りながら、いつも不敵でマイペースな彼女もいいけれど、ちょっと弱気な彼女も悪くない、そう思った。
そして、僕は、そんな彼女に、また、恋をした。
おしまい
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