ただいま。

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ただいま。

一年ぶりに、この平原に帰ってきた。平原は荒れ果てたまま。むしろもっと酷くなっているかもしれない。 「お姉ちゃん…… ただいま……」 お姉ちゃんは、平原の真ん中で咆哮していた。ごめんね、一人にしちゃって。でも、もう大丈夫だから。苦しいのから、救ってあげるから。 帝都で、アルベールという、浄化の力を持った人間を見つけた。事情を話すと、協力すると言ってくれた。アルベールの力があれば、お姉ちゃんを助けてあげられる…… 私がお姉ちゃんを引き付けて、お姉ちゃんに隙をつくる。そのときに、アルベールに力を使ってもらう。 「お姉ちゃん!こっちだよ!」 グワオォォォォォァ! お姉ちゃんが私を敵として認識したようだ。唸り声を上げてこちらに走ってくる。 「うっ…… お姉ちゃん、ごめん!」 思いっきり地面を蹴って空中に飛び上がり、お姉ちゃんの右目に槍を突き刺す。 ッガアァァァァァァァオ! お姉ちゃんが私を振り払う。地面に勢いよく叩きつけられた。ダメだ、左目も潰さないと…… すぐに体勢を整えて、もう一度飛び上がる。 「はぁぁぁぁあ!」 お姉ちゃんの左目に、槍を突き刺す。 ウガァァァァァァァァゥ! お姉ちゃんは苦しそうにもがいて、その場に倒れる。 「アルベール!今よ!」 「わかった! ……はぁぁぁぁぁあ!」 アルベールが手に持つ剣が白い光を放って、 …………お姉ちゃんの心臓を、貫いた。 お姉ちゃんは白い光に包まれて、花びらが散るように、弾けて消えていった。
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