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「ただいまー」
食べ終えて洗い物をしている時だった。
玄関ドアが開いた音がしたあと、佳菜の声が聞こえた。テレビを観ていた、なっちゃんとあっちゃんが走って迎えに行く。
「わぁ、ままきれい」
「きりぇー」
「ふふ、ありがとう。二人とも良い子にしてた?」
佳菜は今日、友人の結婚式に行っていた。
お呼ばれ用の格好をして髪型も違うからか、二人の目が輝いている。
俺はというと、手に持っているビニール袋の中身が気になった。大きいパックの牛乳が二つ。
「コンビニ寄ってきたのか?牛乳ならまだあるだろ」
「そうなんだけどね。必要になるかなと思って。なっちゃん、あっちゃん、一緒にプリンでも作ろうか?」
「つくるー!」
着替えを終えた佳菜が冷蔵庫を開け、洗い物の続きをしている俺の方を見ながらフフっと笑う。
「やっぱり卵いっぱいあった。でも、そんなに割らせなかったんだ?バケツプリンでも作ろうかと思ってたのに」
「……四人家族で、そんなに大きいの食べきれないだろ」
「そうなんだけどね。届いた写真見てから、どうやって卵を消費するか考えてたの」
どうやら、佳菜は俺がたくさん割らせたと思っていたようだ。
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