〈Prologue〉

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いまごろ都内で出現しているであろう異形よりも、 ずっと下位に属する。名前すらない個体。 「――――ッ!」 外套の人物は、対象を敵と認識するや否や、 柄を強く握り込み、 再度踏み出した。 足の回転速度は跳ね上がる。 (まぶた)のない四つの目が秩序なく動き、 そのうち三つの目玉が私を捕捉した。
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