妄想の海

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「もう少し 慌てないで 慎重に」 その言葉の通り 少しずつ光が大きく見えてきた 出口だ やっと着いたぞと思ったが 長い間暗い空間を歩いていたから眩しくて目が開けられず 腕で顔を覆った 少しずつ腕をずらし目をならした こんなに時間をかけてやっと辿り着いたのに そこには何も無かった 立ちすくむ俺は少しイラッとした 「何なんだよ!」 すると目の前に映像が映し出された それは就職を決めた会社の社長さんと楽しそうに仕事をしている自分がいた 会社のみんなと何かを喜びあっている 姿だった 就職先を決めたときに周りから「お前バカだろ」「何考えてんの?」と散々言われた けれど いいんだなこれで 良し! っと思った瞬間 現実に戻った
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