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季節の巡り
とある一本の桜は、嫌われ者の桜です。
「こんな桜、大嫌い」と罵声を浴びようが、何度も何度も蹴られようが、今日も堂々と立っています。
花が開花しても、満開でも、桜に目を向ける者はいません。ニンゲンは、その桜が邪魔でしかなかったのです。
次第に「あの桜の下には死体が埋まっている」という噂が流れ、桜は除け者にされてしまいました。
(嗚呼、私の味方など存在しない)
それでも今日も、桜は笑顔です。
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