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迷路
「もういいだろう。そろそろ第2ステージを始めるぞ」
ノロイが言った。
まあ、なんだかんだで30分くらい休んでいる。そろそろ始めてもいい時間かもしれない。
「第2ステージは、二人一組でいってもらう。今の人数は…86人か。
チッ、余りは出ないのか…ボソッ」
おいおいおい!今心の声出てたって!絶対ダメなやつ出てるって!
「なぜ第2ステージが二人一組かというと…まあ、行ったら分かるか。それでは、第2ステージ攻略開始だ。」
次の瞬間、俺はさっきいたはずの空間と全く別の空間にいた。
「ここが第2ステージか…」
隣から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「ペアはお前か、影山…」
「どうやらそのようだな、宝。」
てか、何気に初めて名前で呼ばれた気がするんだが…地味に嬉しい…
「これは…迷路のようだな…」
宝の言うとおりだった。
目の前には道があった。だが、すぐに壁があり、道が分かれていた。
「これは…どう攻略するべきだ?」
「うーん…二手に分かれるのは危ない感じがするし…適当に進むしかなくないか?」
「そうするか…」
とりあえず、右の道を進むことにした。何事も、動かないと始まらないと言うものだ。計画より行動!行動第一、計画第二!
右の道を進むと、すぐにまた先程と同じような分かれ道が現れた。
はっきり言ってどっちに進めばいいかわからないので、ダンゴムシ方式で右左、右左の順番で行くことに決定した。(ダンゴムシは右に行ったら次は左に行き、その次はまた右に行く、の繰り返しをするという法則があります!)
その方式で進んでも、何もなかった。ただ、同じことの繰り返し。
敵もいない。ある意味安全かもしれない。だが、一つ問題があった。
勘のいい人はもう気づいたかもしれない。
そう、一向に出口が見つかる気配がないのだ。
「どうする?」
「………来た道を戻ってみるか…」
一つ分かれ道を戻ってみた。やっぱり宝はすごい。
そこにはしっかりと怪物の姿があった。
「俺らは最初から同じ道を来ていたわけか…」
「まあ、詳細は知らんがな。ループしてたみたいな感じだろ」
「とりあえず、こいつを倒さないと先には進めなさそうだな…」
「ここは俺に任せろ」
かっけえーー!!宝かっけえーー!!いやてかまず顔のビジュがいいからどんなにイタイ台詞いっても大丈夫なわけ!イケメンっていいなあーーーー!!
そんなことを思っている間に、怪物は倒れていた。普通に戦いが上手いのは、日頃から「鍛錬」をしているからなのだろうか。
「行くぞ」
「あ…ああ」
ボーッとしていて反応が遅れてしまった。
当たり前のように行こうとしているが、怪物が倒れた先には、先程は怪物が立っていたので見えなかった、一本道が見えていた。
確実になにか出てきそうだが、確実にこのルートが正解であることも分かる。
道を進んでいる時、唐突に宝が話しだした。
「なあ、影山」
「ん?」
「お前の願いは、一生自分の好きなことをしたい、だったよな。」
「え?えーっと…確かにそんな話をしたな。ああ、そうだ。」
「あれって嘘だよな?」
「は?」
「だから、お前の願いは、一生自分の好きなことをしたい、じゃないよな?」
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