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嘘
あまりにも突拍子が無さすぎたので、俺は数秒間固まってしまった。
その後、状況を理解した。
多分、バレている。
何が?―俺の願いが他にあることが。
静かなパニック状態に陥っている俺に構わず、宝は、
「私は武芸を嗜んでいるといったな。言ってなくても多分似たようなことを言った。たとえ私が強くとも、背後からの奇襲にはある程度訓練をしておかなければ対応できない。」
―こいつ、これまでどんな人生を送ってきたんだ?
「その訓練の延長線上で、人がだいたい嘘をついているかを見抜くことができるようになったんだ。まあ、あんまりこれは使わないがな」
絶対そっちのほうが役に立つだろ!こいつの人生が知りたくなったわ!
それはともかく、これは本当にまずい。ここで本当のことを言うべきだろうか。それともしらを切るか。どちらにせよいい結果が待ち受けるとは思えない。
「お前、迷っているな」
「!?」
「驚いただろう。これは、一騎打ちをするときに、相手がどう動くか、というものを知るために極限まで高め上げた、自分の中でも特に高性能の技だ。」
こいつ何でもできるじゃん?!ふざけんなよ?!
だが、この宝の言葉が決め手になった。
「わかった!本当のことをいえばいいんだろう?」
「おっ認めた」
「俺の本当の願いは………」
「速く言えよ!」
「………!!!」
「おい!どうしたんだ!ここまで来て怖気づいたか?!」
だめだ、言葉が出ない、まずい、速くしないと速く速く速く速く速く速くはやくはやくはやくはやくはやくはやくハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤク
そして。
「―第2ステージ攻略完了だ。コードNo.1229、おめでとう」
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