折原さんが

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折原さんが

「あ、ごめん忘れてた。おめでとう、コードNo.1229とコードNo.777。」 「てめぇ………」 宝が微かに怒りを覚えているようだ。 俺も正直、一瞬ヒヤッとした。 もしかして、俺の目の前にいる宝は幻覚………? と、ありえない妄想をしてしまった。 もちろんそれはありえなく、俺の目の前にいる宝は本物だった。 単純にノロイが忘れていただけだった。これに関しては宝がキレても仕方がないと言えよう。 てか、宝はそこそこ存在感があると思うが…(まあ、服装が全体的にちょっと暗めな印象はあるが)案外ノロイはお茶目なのかもしれない。 「他のプレイヤーたちは少々手こずっているようだから、少し待ってくれ」 「もう既にクリアしたプレイヤーはいるのか?」 「ああ。4、5組ほど。」 「その中に、折原聖一と、新美千愛はいるか?」 「知るか!参加者の個人名など把握していない!そんな頭はない!とりあえず、休憩所に送り込むから、自力で探せ!」 なんでこいつキレ気味なんだ? 逆ギレするタイプか? 「おっけーさっさと連れて行け!」 宝も若干喧嘩のってんのやめてもろて…ww 「ああ!分かったよ!連れていけばいいんだろ!連れていけば!」 だからなんでキレ気味なんだよ!ww 心のなかでひたすらツッコミを入れる俺。 そのツッコミが終わったと同時に目の前が真っ白になった。 気づいたときには、もう見慣れた広い場所にいた。 「おい、影山、折原と新美を探すぞ」 「ほーい」 のんきな声を出してしまい、少し恥ずかしくなってしまった。 それに構わず宝はヒーロー()と新美を探し出す。 俺が「司令官!承りました!」と言っても、きっと構わず探し出しただろう。 目的の人物たちは、すぐに見つかった。 さすがに死んではいなかったようだ。まあ、こいつらならなんとかなるだろうと思っていた。 だが、目的の人物たちが見つかったはいいものの、状況がよくなかった。 なぜなら、。 それを察した俺は、宝が声を発するより速く、 「何があった」 と言った。 それに対し、新美は、 「うう…ぐすっぐすっお、おり、はら、さんがぁぁ、ぐすっぐすっひぐっ」 「折原がどうした?!」 「ぐすっ、こ、こく、ひっ、は、うう…く、」 新美が言い終わる前に全てを察した。 いくらなんでも、告白されたから泣きじゃくるやつはいない。 いたとしても、それは嬉しさからだろう。もしくは、めっちゃくちゃ、本当に世界一嫌いなやつだ。どっちかというと、泣くのは告白したほうだ。 ましてや、新美のような(これは俺のこれまでの交流からの偏見だが)心優しいやつが、泣くはずがない。(告白した、された経験0の考え) つまり、他になにかあるということだ。それが何を意味するか。 目の前が真っ暗になった。
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