1.絶望の春

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俺は校門をくぐり、教師と思われる人物から紙をもらった。 そこには1年生のクラスと出席番号順に自分たちの名前が書いてあった。 「なるほど、これで自分のクラスに行けってことか...」 俺は呟き、そのまま歩を進めていく。 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 俺がクラスにたどり着くと、もうクラスには数十人が教室内に居て友達作りに励んでいた。 この高校は全学年6クラス制、A~Fまでのクラスがあり、俺はFクラスとなった。 前のボードにはそれぞれの席が書いてあった。 俺は黒板ではなくボードの学校を初めて見たため、最初は少し戸惑った。 ...そんなこと考えてる暇じゃない、さっさと自分の席に座らないと 「えーっと、霧宮 霧宮...っと」 ボードに書いてある席表の席を順番に、なぞるように指を動かしていく。 そして指が止まり、指の先に視線を移す。 指の先には『霧宮(きりみや) 空兎(くうと)』という文字があった。 なるほど、俺は一番後ろで一番端か...ラッキーだな。 そして俺はその席へ向かっていく。
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