1.絶望の春

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「あ、ねぇねぇ、君って霧宮くん...?」 向かう途中、白髪の女子生徒が自分に話しかけてきた。 俺は何も言わずにコクリと頷き、そのまま自分の席に向かおうとする。 「え、ちょっとちょっと、何も言わずに立ち去らないでよ」 彼女は自分の腕の裾を引っ張った 「なんだよ、俺に何か用でもあんのか?」 頭を掻きながら彼女に問いかける 「いや別に用があるってわけじゃないんだけどさ、やっぱりこれから同じ クラスメイト同士仲良くしていこうかなって思って...」 ...俺と仲良しごっこがしたいってことか だが俺は別に友達作りに励むつもりはない、ただ平凡な男子校生でいいのだから 「あっそ、俺は別に全員とは仲良くするつもりはねぇよ」 そう言って半ば強引に話を終わらせて自席に着く 別に俺は友達作りをするわけじゃない、友達なんて話していればいつか平然と できているし、そんなことで無駄な体力を使って励むつもりはない。
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