1.絶望の春

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今日は入学式でもあって俺たち1年の最初の登校日。 やはりこんな最初の時期にこのクラスに慣らしておくのはいいことだと思う。 「お前ら、席につけ」 いきなり教室の扉が開き、担任と思われる人物が教壇に向かいながらそう言った。 立ち上がっている生徒は自分の席へ戻っていく 「よし、お前らの担任を任された(あやの)だ、これからよろしく」 担任は女性で少し怖そうな口調、怒らせたら面倒くさそうなタイプだった。 そして綾は話を進めていった 「お前らはクズだ」 綾からの予想もしない一言にクラス中が固まった 「お前らはFクラスと1年の中で最下位、そんなお前らがワクワクしながら勉強 なんざできると思っているのか?」 綾はどんどん喋っていき、生徒はほとんどドン引きしている 「お前らはF、そしてこの学年、いやこの学校のお荷物だ、そんなお荷物なんて 30人もいらん、百歩譲って20人ぐらいだな」 なんとなくだが綾の言っていることに関しては納得はできる。 確かに俺たちのクラス、F組がお荷物なことは言われなくても分かっているし、 別にお荷物なんて数十人もいらないだろう。 「そこでだ、これからお前らにはあるゲームをしてもらう」 その一言にクラスはどよめいていく、華やかな学園生活を送れると思ったら 急にお荷物呼ばわりされて増してやクズ呼ばわり、どよめくのも無理はない。
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