卵かけご飯と小鳥

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 私が何で森の中になんていたかとかいうと、死に場所を探していたからだ。私はまだ生きてるわけだし、それは全然本気じゃなかった。スランプに陥って何も解決策もアイディアも見つからなくて、例えば死ぬとしたら具体的にどうするんだろう、なんて思いつき。ちょっとした気分転換も兼ねていた。気分転換を兼ねて死に場所を探すなんて、今考えればどうかしている。  私のお父さんは毎朝、卵かけご飯を食べる。拾ってきた卵は私の部屋に置いておくので間違って食べられることはないだろうけれど、食べてはいけないとわかるように何か目印でも付けておきたい。部屋の机の上にハンカチを数枚重ねてその上にたまごを置いた。冷蔵庫にある卵を見てこよう。
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