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殺されて、埋められた。
もう月は見えない。
冷たい濡れた土が落ちてきて、頬や髪を覆い隠してしまうから。
ごく小さな蟲たちが、開いたままの口や見開いた瞳、鼻や耳からそわそわと入り込む。
細い触覚で探られ、薄い歯で削ぎ取られ、私は自分の内部が虚ろに崩壊してゆくのを感じている。
勤勉な名もなき蟲たちは生きるために私を喰う。
同情も憐憫も遠慮もない。
咀嚼音が耳鳴りのようだ。
じめんの下には色も光も匂いもない。
凍えるほど寒くて寂しい場所だ。
あれからどのくらい経ったのだろう。
どうしてこんなことになったのだろう。
憎しみと後悔、悲しみと恨めしさ。
渦巻く感情に囚われて、私はどこへ行くこともできない。
今日、屋敷には黒く無口な人々が集っている。
客たちは緑猛々しい8月の庭で満開の花を咲かせている桜を見て、青ざめた顔を引きつらせて目をそむける。
蝉しぐれと入道雲を背景に狂い咲いた桜の花は、可憐な美しさよりも見る者にまで類が及びそうな禍々しさを感じさせたから。
もっと見てほしいのに。
こんなに喜びにあふれた美しい姿を。
私を殺した男の、今日はめでたい葬式なのに。
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