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「あたし達は元々恋人なんかじゃないのよ。その証拠にね、あたしは亜希くんのことが好き。これ、嘘だと思っていた?バカだね。それに、あんただって出会い系アプリで不特定多数と関係持っているんでしょ??」
ち、違うっ…!
あたしは…あたしは…。
麗華姫のことが、好きで…好きでたまらなかった。
伏見くんのことは、嘘だと思っていた。
あたしたちをからかうためのネタだと思っていた。
あたしは…本気にしていなかったのに…。
「いやっ!麗華…ちゃん!」
「さようなら、彩綾。勝手に快感に溺れてきなさいよ。帰ってきたら、たくさん痛ぶってあげるから。」
麗華姫のニヤニヤした美しい顔が建物の影に遮られて見えなくなる。
「あ……あぁ…」
信じたくなかった。
麗華姫が、あたしを裏切ったなんて。
麗華姫は、あたしを利用していただけだったなんて。
嫌だ……!
あたしは、人気の全くない、廃墟のようなビルの屋上に連れ込まれた。
「楽しませてもらうよ〜。」
一人の男が、ズボンのベルトをかちゃかちゃと鳴らす。
「ひっ…!」
あたしは、自分の手がベルトで固定されるのを、呆然と、涙を流しながら見ていた。
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