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あの痛みを味わった時、人生で初めて本当の絶望を感じた気がした。
「この写真はネットに流しておくから。」
ぶーちゃんが邪悪な笑みで言う。
「や、やめて!!」
咄嗟にぶーちゃんの脚を掴む。
ぶーちゃんが尻餅をつき、ぎゃっと叫び声を上げる。
「痛いよぉ、彩綾ぁ〜。」
お尻をさすりながら言うぶーちゃんは、ふざけているような顔をしていた。
「ふざけないで!あたしは本気なの!!そんな写真、流されたら困る!」
あたしは必死に食らいついた。
どうして、どうしてあたしが汚名を着せられるの…?
せっかく、モデルになって、人生成功し始めた………と、思っていたのに…。
ううん、失敗。
あたしの人生、失敗した。
今日、最愛の人を失い、あたしの潔白は汚された。
あたしの人生は、狂った。
これが……。
これが、ぶーちゃんの、復讐なの…?
だったら、大成功だよ。
あたしは、心も体もズタズタにされたもん。
ぶーちゃんは絶望するあたしを見て、ニヤニヤ笑っている。
どうして、笑えるの…?
人の不幸を見て。
ああ、でも。
あたしも、人のこと言えない。
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