潔白

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「いふぁい…、いふぁいよっ……」 脚があたしの眼球にもあたり、脳がグラグラと揺れるような感覚がした。 歯が折れ、口の中が切れ、涎が滴り落ちる。 どんどん滑舌が悪くなってゆく。 「許さない、許せない。」 ぶーちゃんがあたしの肩を蹴る。 抵抗不能になっているあたしは、倒れ込む。 倒れ込んだあたしのお腹は、剥き出しになった。 「あたしが味わった絶望を、あんたにも味わわせてあげるよ。」 ぶーちゃんが容赦なくあたしのお腹を踏みつける。 「ぐっ…!ぅぅ…!」 腸が捩れるような痛み。 目と口を見開いて、必死に呼吸する。 何度も、何度も蹴りが入る。 何度も、何度も全体重をかけられる。 あたしの鳩尾にぶーちゃんの足がのる。 「ぐぇっ!!!」 体全体を嫌な震えが駆け巡り、胃から何かが逆流してくる。 「ぶっ…、おえぇぇぇ!!」 口から、嘔吐物が漏れる。 仰向けになっているため、嘔吐物は鼻の方にも周り、すえた匂いが鼻をつく。 鼻の奥がツンとする。 口からはだらしなく、血と涎と一緒に、嘔吐物が流れ出る。 喉に嘔吐物が詰まり、息ができない。 窒息死しそうな恐怖が全身を駆け巡る。 口に手を突っ込んで必死に呼吸穴を開けようと試みる。 手に嘔吐物がつくが、気にしている余裕なんてなかった。
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