潔白

23/27
前へ
/337ページ
次へ
あたしは、嬉しくなった。 このバカたちは、麗華姫の策略にまんまとハマって、私をターゲットにしたんだ。 ふふふふ……。 あははは!! あたしはおかしくなった。 だけど笑わなかった。 最後まで出し抜いてやる、こいつらを。 ふざけんなふざけんなふざけんな。 愛香、あんたの復讐は、成功だよ。 あたしは、こんなにボロボロになって、心に、体に、深い傷を負った。 だけどね、それだけじゃ済まさない! あんたも道連れにしてやるから…! ううん、きっと麗華姫が道連れにしてくれる。 遅かれ早かれ、あんたは破滅するのよ! 「ぐっ……!!」 あたしは、手をついて、無理やり身体を起こす。 八神……。 ぶーちゃんの後ろに影のように寄り添う八神夜風。 美しい。 素敵な、非の打ち所がない顔立ちをしている。 あんたも、ぶーちゃんの協力者なんだよね? きっときっと……。 きっと、麗華姫が、あんたにも制裁を下すからっ!! 屋上の低い柵に体をもたせながら、あたしは立ち上がった。 ぶーちゃんの目の前で、スカートのポケットに手を滑り込ませる。 あたしがポケットから出したもの、それはスマホ。 あたしは、不敵に微笑んだ。 「愛香…。あんたが欲しがっているもの、消したがっているものは、この中にある…。」 ぶーちゃんの顔つきが変わる。 今にも飛びかかってきそうだ。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加