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葉菜が倒れた理由は桜の葉の食べ過ぎだった。
今回は胃腸の異常だけですんだが、桜の葉にはクマリンという毒物が含まれていて、大量に摂取すると肝障害につながる危険もあったという。
葉菜は桜の香りになれず、とても残念そうにしたが、健康には変えられない。
母にこれで我慢しなさいと渡された小ビンの香水は桜の香りらしいが、サクラケムシの香りとは少しも似ていなかった。
幼かった葉菜はほどなく切り替えて興味を他に移したが、陽は落ち込んだ葉菜の顔が忘れられなかった。
そんな陽が葉菜のためにサクラケムシの香りを作るのはずっと先の話だ。
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