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「……好きだなんて久しぶりに言ったからな……。もし断られたらどうしようかとも思っていたんだ……」
私の好きな、まるで春の陽だまりみたいな温かい笑い顔を、課長が浮かべる。
その笑顔に胸がときめくのを感じながら、
「……私も、ずっと好きで……」
くしゃりと手に握り締めたポケットの中の手紙に後押しをもらうと、このまま秘めておこうかとも感じていた自らの気持ちを、思い切って口に出した。
「……嬉しいよ。伝えてくれて、ありがとう、春野」
相馬課長が言い、ひと息を吸い込むと、
「──俺と、付き合ってくれるだろうか?」
こちらを見つめ、そう問いかけてきた。
喉元を込み上げる恥ずかしさに、やや上目遣いに見つめ返すと、その問いかけに、私は「……はい」と、答えた──。
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