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「……すまない。いきなりこんなことを言って、驚かせただろうか? 俺のことは好きでもなかったなら、そう言ってくれて構わないから」
とっさに首を大きく横に振った。
「嫌いだなんて、そんなこと……」
言いながら、どんどん顔が熱く火照ってくるのがわかって、口をつぐんだ。
「……赤くなるほど、俺のことを、好きでいてくれたんだろうか?」
うつむいて、「……はい」と小さく答えると、
「……よかった。おまえのことが、俺は、ずっと好きだったんだ」
低く甘ったるい声音で、耳元へ囁きかけられた──。
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