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可愛い顔に似つかわしくない口調で瑠璃はそう言った。
だが、冬音は違和感を覚えた。
瑠璃に守護霊がいるなら、雪のように傍にいるはず。
何故、瑠璃の守護霊が近くに見当たらないのだろう─────?
違和感を覚えた冬音を見越して瑠璃は、「はぁ」とため息をつきながら続けた。
「もういないのを感じてるとは思うけど、俺の守護霊は………失踪したんだ」
「え………」
道理でおかしいわけだ。守護霊が失踪するなんて端から聞いたらおかしい話だが。
すると、今まで黙っていた雪が口を開いた。
「やはり、消界の道が乱れている可能性が高いね、瑠璃少年。君の守護霊が失踪したのも、それが原因かもしれない。」
雪は冬音の肩からずいっと身をのりだし、瑠璃に顔を近づけた。
いきなりの雪の発言にも関わらず瑠璃はこういうことには慣れているのか、距離感がおかしいところをスルーし、雪に言った。
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