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「消界の道が乱れてるって……?そんな話聞いたこともないけど」
どうやら瑠璃は消界についてのことは普通に知っているようだ。まぁ冬音と同じように守護霊がいるのなら当然か。
「瑠璃少年の守護霊は、最後に何て言ってたかとか、どこに行ったかとか分かる?」
「あー………消界に用事があるからって言ってたな。すぐ戻るつもりだったらしいけど、もう4日も経ってるし、さすがに用事が長引いてるっていうことはないと思う。」
雪の問いに淡々と瑠璃は答える。
瑠璃によると4日前用事があると言ってから今まで、消界から帰ってきてないという。
「うん………だったら、尚更確かめる必要がありそうだね」
「おい、そ、それ………俺も連れてってくれるか!?」
雪の言葉に反応した瑠璃が少し大きい声で言う。声を張り上げたことにハッとした後、肩をすくめて心配そうにうつむいた。
「俺………みたいに特殊な人間って全然いなくてさ。いや、それが当たり前なんだけど。
だから、さっきお前らが水霊を制御してるのを見て、こいつらなら頼れるかもって思ったんだ、あいつを見つけるために。」
「瑠璃くん…………」
きっと彼は今までもこんな風に困っていたのだろう。何せ10歳から霊がみえるのだ。
冬音より相当悩ましく感じてるに違いない。
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