第3の霊 救助の願い

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「え、いやいや!わ、私は行かないけど!?雪とか瑠璃くんみたいに何か目的があるわけでもないし、霊がたくさんいるとか、怖すぎだし………!」 冬音はそう言いながら慌てて後ずさった。 雪は少し黙った後、フヨフヨと冬音に近づいた。 なんとなくデジャヴ。 すると雪は冬音の両頬を押さえ、怪談でも語るかのように述べた。 「フユが俺から離れるっていうことはぁ……、大分フユが危険な目に合うかもしれないけど?」 「え」 「さっきも言ったでしょ。守護霊は主を守るのが役目だって。絶対危険がふりかかるとは言わないけど、俺は傍にいないとちゃんと守ってあげられないんだから。怪我とかしちゃうかもよ?」 「え………っと、そのぉ……」 冬音は視線を反らしながら思い出す。 雪と初めて会った日、襲ってきた無霊(むれい)のことを。 確かにあれは、雪が守ってくれなかったら最悪死に至っていたやもしれない。 「まぁ………自ら危険に飛び込みたいって言うなら、止めないけど?」 半強制的な脅しであった。雪は終始にやりと不敵な笑みを浮かべている。 「…………………………行きます」 いくら霊がうじゃうじゃいる消界でも、自分の身の危険には逆らえなかった。 冬音は声をすぼませながら言う。 「ありがとっ」 雪はさっきの怪しい笑みとはうって変わってにこっと笑いかけた。 なんだか楽しそうに見えたのは冬音の気のせいだろう。
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