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「よっ…………っと」
三人は茂みを抜け出し、視界が晴れた。
そこには森が広がっている。
だが、冬音が何より最初に目に入ったのは
まさに消界のトビラ。
「あっ!あった……………!」
「こ、こんなところにあったんだ……」
消界のトビラは森の前のど真ん中に位置していて、すごく不思議なオーラを放っている。
冬音と雪は同時に息をついた。
「そ、ここがあいつの消界のトビラ。ここで会ったからこんな分かりにくいところに出来ちゃったんだよね」
瑠璃は苦笑いをする。確かに分かりにくいが、霊と会うなら誰もいなくてうってつけかもしれない。
「じゃあ………開けるね」
雪は消界のトビラの前に行き、扉の取っ手に触れた。
すると、一瞬周りが青い光に覆われる。
「わっ」と冬音が声をあげるが、消界のトビラは既に開いていた。
学校で見た消界のトビラと同じように、怪しく渦を巻いている。
「よし、行こうか、消界へ。」
瑠璃と冬音も消界の前に立った。
冬音はまだ少し不安だったが、隣にいる雪を見ていたら何故か少しだけ安心した。
「うん」
三人は消界のトビラへ足を進めた。
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