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第4の霊 消界の中身
「よし、行こうか、消界へ。」
「うん」
雪の掛け声と共に、雪、冬音、瑠璃の三人は渦巻いている消界のトビラの中へ入った。
◇◇◇◇◇
めちゃめちゃ変な感じがする。
何これ。すごく変だ。具体的に説明できないが、変だ。
トビラの中へ入った冬音は何が起こったのか分からなかった。入った瞬間に体重というものがなくなったみたいで、幽体離脱した感覚だ。
やっぱり、入らない方が良かったかもしれない。
そんなことを体の意識が無くなった状態で考えていると、おぼろげに視界が開けてきた。
「─────ユ、フユ!」
聞こえてきたのは誰かの声。
さっきの変な状態では上手く聞き取れず、誰の声か正確に認識できない。
いや、私をフユと呼ぶのは一人しか─────
パッと目を開けると、物凄く至近距離の雪が冬音の視界に入った。
一瞬の沈黙。
「あ、フユ。やっと目覚め────」
「わああああああぁぁぁぁあ!」
ゴンッッ!
「いった!!!」
冬音は即座に飛び上がり、雪からズザザッと離れた。おでこを物凄い勢いでぶつけられた雪は、そこをおさえながら不満そうな顔をする。
「いきなり起き上がんないでよ、なかなか起きないから起こしてあげようという俺の善意を素直に受け取って」
「いやいやいや、あの距離はおかしいから!起こすならもっと普通に起こしてよ!」
小馬鹿にするような雪の言葉に冬音は距離を取りながら声を張り上げる。
大体雪は誰に対しても距離感というものを考えないのだ。
「え、それってつまり、もっと近くでも良かったってこと?なんだ、そうなら早く言ってく」
「黙れ」
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