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なるほど、だから瑠璃くんは私達に助けを求めたんだ…………
「じゃ、ここからは道まで案内よろしくね?瑠璃少年。」
冬音が考えていると雪の軽快な声が聞こえた。瑠璃に道までの案内役を任せて、3人は歩き出した。
◇◇◇◇◇
「ね、ねぇ………ちょっと瑠璃くん速くない?」
瑠璃の道までの案内途中。
耐えきれなく、冬音は疲れた顔をしながら瑠璃に問いかけた。
その原因は勿論今登っている階段。
瑠璃によるとこの階段の頂上に道への扉があるそう。
だが、この階段────非常に長い。
長い。本当に長い。
かれこれ20分以上は登っている。
冬音も体力はある方なのだがさすがにこんな長い階段は登ったことがないので疲労が溜まる。
「え~、こんくらいで疲れるとか、もっと体力つけたら?フユ」
「あんたは浮いてるでしょうが!!」
ふわふわと浮きながらプププと笑う雪に思わず声を上げる。
すると、それを傍観していた瑠璃が口を開いた。
「あ~大丈夫大丈夫、ここ、エレベーターあるから」
「………………は?」
硬直した。
なんで最初に言ってくれないの!!!!
瑠璃がさらっと言った言葉を聞いて冬音が若干キレた。
「あぁいや、といっても半分くらい登ったところからエレベーター乗れるから、別に今までのことが無駄だったわけじゃないよ」
瑠璃が冬音の様子を見てなだめるように言う。どうやら階段の半分くらいの所にエレベーターがあるそうで、そこまでは歩かなければならない、ということだった。
冬音の怒りが即座に静まっていく。
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