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「う、うん、分かった」
雪の真剣さに少し圧巻されながらも冬音はそう返事をした。
すると雪は満足したかのようににこっと笑った後、「あ、そうだ」と何か思い出したように言った。
「?」
パチンッッ
デコピンされた。
「いった!!何!?何すんの!?」
いきなりのデコピンに混乱を隠せない冬音が声を荒げる。しかも地味に強い。
「ん~、まぁ念のためね」
「は?」
雪はそう曖昧な返事をして何事もなかったように瑠璃の方に向かった。
パチンッッ
瑠璃にもしている。
ギャアアアと即座に瑠璃の悲鳴が耳に入る。
あっちも混乱しているようだ。
「「??」」
意味が分かっていない二人をよそに、雪は淡々と話し始めた。
「さっき冬音にも言ったけど、危険だと思ったらすぐに引き返してね。霊には近づかないこと、俺がすぐ向かうから。瑠璃少年も消界に慣れてるからといって、油断しちゃダメだよ」
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