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「ひっ…………な、何!?近づかないで!」
冬音は怯え、身を縮ませた。
そんな冬音を一切気にせずに少年はずいっと近づき、口を開いた。
「フユ、俺のことがみえるようになったんだね!!」
満面の笑みで、そう言う。
「……………………は?」
間抜けな声を思わず出してしまった。
今の衝撃でさっきまでの恐怖なんてどこかに行ってしまった。
恐らくフユは自分のことなのだろう、冬音のあだ名だ。
みえるようになったんだね………って、まるで自分が幽霊でもあるかのように言っているじゃないか、と冬音は思った。
こいつは何を言ってるんだ?
「あ、あの……変なこと言わなくていいから、さっさと出てってくれる?」
冬音は落ち着きを少し取り戻し、少年にそう告げる。
すると少年はきょとんとした顔をした。
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