後日談

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後日談

結婚してだいぶ経ってからの事だが、 旦那に 「残業して疲れて、 10:30頃家に帰ると、 ポストに手紙来ててさ、 それから読んで返事書いて、 大変だったんだぞ。 それが週に二回くらい来るんだからさ。 俺もよく頑張って書いたと思うよ。」 と言われた。スミマセン。 子どもたちの間では、 「お母さんのお手紙攻撃」 「お父さんは、 お母さんに押しかけられた」 という伝説が生まれた。 そんなわけで、 大恋愛だとかいうわけではないけど、 自分ではよくよく考えて決めた相手だと思ってた。 でも、人間なんて、 自分のことさえよく分かっていない。 人の心の中や考えていること、 人柄なんて、 直ぐに分かるものじゃない。 我が家だって、 離婚の危機もあったし、 気持がすれ違ってた時もあった。 何十年も経ってから (こういうひとだったんだ) と気付くこともある。 (いや、お母さんがそれ、 鈍感過ぎるんでしょ。 と子どもには言われる。) もう、旦那にトキメクことはなくても、 家族として掛け替えのない存在になってしまったことは間違いない。 なんたって、 親より何倍も長い間、 一緒に暮らしてきたわけだから。 そしてもう一つの後日談。 実家の母を訪ねて(結婚後だいぶたって) 何かの話から 「そういえば、 森山君って近所に同級生いたわよね。 前に、買い物してた時だったか、 ばったりお母さんに会って、 話したんだけど、 『お嬢さんは結婚されたんですよね。 うちの息子、 お宅のお嬢さんの事好きだったらしくて…』って言われたのよ。」という。 (え~、まさか!)と思った。 森山君は、 どちらかといえばチャラい男子で、 ほとんど話したことある?くらいの 距離がある人と私は認識していた。 クラスの女子は、 大きく3つのグループに別れていて 「クラスのアイドル・カワイイ系」女子と 「普通」の女子(ここが大多数)、 そして「地味で目立たない」女子がいた。 森山君は、 大体いつも 「クラスのアイドル・カワイイ系」女子とつるんでて、 私は「地味で目立たない」女子グループだったから、 接点があった記憶がない。 母にその話しをすると 「でも、ほんとらしいよ。 あんたが気が付かなかっただけなんじゃない? お兄ちゃんの友だちの中にも、 あんたのことを気にして、 うちに来るとチロチロ見てた子何人かいたしね。 お兄ちゃんの結婚式の時とかも… あんた、振り袖着てたしね。」という… それも、初耳なんだけど… いつも兄や母からは 「高校で彼氏いない時点で終わってる」だの 「そんな怒ったような顔をして歩いているから、虫も付かない」だの、 そんなことばかり言われていたから、自分はモテない女だと思い込んでた… 「お母さん、 そういうことは、もっと早く、 若い時に言って欲しかったな。 人生、変わったかもしれん…よ。」 「あら、だってそんな事言って 『私はモテるんだわ』なんて 天狗になられても困るから、 いわなかったわよ。」 だそうです。 まぁ、母のせいではなく、 私がボーっと生きていたからなんだから、 仕方ないけれど…。 孫にでもそのうち 「お婆ちゃんは、 若い時モテたんだよ。」 って自慢でもしてみるか… とはいうものの、 ほんとは、 片想い専科だから、 恋愛相談されても困るんだけどね…。
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