一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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それに加えてマティルダ含め、ガルボルグ公爵家は国にとって重要な働きをしているため、国で大きな権限を握っている。 その理由は水、火、雷は生活に必要で大切な魔法とされているからだ。 今回、王家には水属性と火属性を持つ子供が二人生まれたのだが、雷魔法を持つ者が王家にはいなくなってしまったため、ガルボルグ公爵家の者を頼るしかなかった。 マティルダは幼い頃から城で王妃教育を受けつつ、王家と国のために働いてきた。 そして今も、ほぼ強制的に婚約者にされそうになっている。 なんとかローリーから婚約を解消してもらおうと働きかけているのだが、彼は動くことはない。 態度は一貫して変わらず、全く興味を持たれていない。 当然だがマティルダもそんなローリーに幼い頃から良い印象を抱くわけもなく、二人の仲は歪なままである。 (ヒロインみたいな子が悪役令嬢になったら、二人の心を開けたりとか漫画みたいにコロッと好意を持ってもらえるようにできるんでしょうけど……) そんな関係を懸命に変えようとしてみるものの、現実はそう上手くはいかない。 ろくに彼氏もできたこともなく、男性とうまくコミュニケーションを取ったこともないためか距離を測りかねていた。 (今日も仲良くできなかった……)
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