一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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素を出せるおかげで屋敷での生活は公爵達がいない時限定で快適である。 しかし別人に生まれ変わったことで、男性関係を作ることがいきなり上手くなることはない。 (これからどうしよう……) 寝る前に未来のことを考えると気分が暗くなる。 しかし二度目の人生、幸せになりたいと頑張ってみるものの特に変化がないどころか悪化しているような気がしていた。 いくら兄妹仲を良くしようと持っている知識をフル活用してみても、婚約を避けようとしてみても結局、乙女ゲーム通りになってしまう。 家族と攻略対象者達との仲は深められないのに、何故かゲームに関係のない人達とばかり仲が良くなっていく。 (国王陛下と王妃陛下、他の令息や令嬢達とも仲良くすることができているし、屋敷の人達とも。なのになぜか重要人物との関係は変わらないのはなんで!?わたくしの何がいけないのか誰か教えてッ!!!!) 頭に思い浮かぶのは『断罪』の二文字である。 そうならないために困っている人を助けて、マティルダは町に行っては善行を繰り返す。 味方を徐々に増やしていくことには成功するものの、何故か攻略対象者達との関係は悪化の一途を辿る。
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