三章 崩壊するハッピーエンド

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「私はこの件について許すつもりはない。マティルダが戻るまでは王家に協力するつもりはない」 「…………!?」 「それに、この愚息に責任を取らせなければならない」 「父上……っ」 「マティルダが戻ればお前は辺境の地へと向かえ。マティルダに公爵を譲ろう」 「嫌だ!そんなっ……!それだけは……っ」 ライボルトの情けない声が部屋に響いていた。 貴族だった人間が辺境の地に飛ばされるということは『終わり』を意味している。 そこでは自由はなく奴隷のように魔石に魔力を込め続けなければならない。 死んだ方がマシだと思うほど過酷な場所だと聞いたことがあった。 しかしローリーは一切容赦がないガルボルグ公爵を黙って見ていることしかできなかった。 そしてもし自分が間違っていれば、こうなってしまうのではないかと嫌な予感が頭を駆け巡る。 ローリーは震える腕を押さえた。 今の状況からしてシエナを通してマティルダの悪事を証明することも大切だが、この場に追放してしまったマティルダを連れてくることの方が重要なようだ。 父と目を合わせると、ライボルトを見るガルボルグ公爵と同じように軽蔑が込められた視線がこちらに向けられていた。
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