三章 崩壊するハッピーエンド

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この状況を誰が引き起こしたのか……。 大々的にマティルダに国外追放のパフォーマンスを行ったローリー達は批判の的となった。 そして高位貴族達が王家に不満を示していた。 それはマティルダを慕っていた令嬢達や令息達の仕業だった。 彼らは王家への協力を拒み、更に王家へ批判は高まっていく。 あの日からシエナにもライボルトにも会っていない。 学園に行けば自分がどんな目で見られるか、考えなくてもわかるような気がした。 そんなローリーの代わりにシエナの発言が事実だったのか、学園で調査が入ることになった。 ローリーはソワソワした気持ちで結果を待っていたのだ。 (シエナは間違っていない……!今はシエナだけが俺の心の支えなのだ) しかしそんな期待もあっさりと裏切られることになる。 父が持ってきた書類には、マティルダがシエナに何かしているのを見た人物もいないそうだ。 「これでもまだシエナが正しいと言えるのか?」 「……っ」 「シエナ・レデュラを今すぐ連れて来い」 頭を鈍器で殴られたような気分だった。 それだけシエナに裏切られたことが信じられなかった。 しかし城に呼ばれたシエナは頑なに「マティルダ様にやられました」という態度を崩さなかった。
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