一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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新しいチャンスをもらったのにも関わらず、今のところマティルダになったから叶えられたようなものばかりだった。 それにやはり中身が伴っていなければ、幸せは掴めないのかもしれないと傷心中である。 (わたくし、転生者の中でもダメな奴なのかもしれない……でも、ここで諦めたら前と同じになってしまうわ!まだまだ猶予はあるものっ) しかしマティルダの父親と母親はいつまで経っても鬼のように怖いし、兄も婚約者のローリーもマティルダに対して氷のように冷たい。 そして無意識に発揮する社畜としての生真面目さで雷魔法を極めていき、王妃教育を受けたことで淑女として完璧になっていく。 邸で侍女達を手伝い、家事や料理スキルだけもメキメキと上達していく。 その努力がやっと実ったのか、ガルボルグ公爵と夫人は次第にマティルダの実力を評価し始めた。 周囲から評判がよく、両親の『完璧』の基準を満たしてしまったためだろう。 今まで必要最低限しか学ぼうとしなかった魔法を積極的に磨いて魔法講師達に「もう教えることはありません」と、言われたマティルダに感心したようだ。
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