三章 崩壊するハッピーエンド

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「それにベンジャミンはマティルダにこれ以上、関わらないという約束を守るならば、ブルカリック王国に優先的に手を貸してくれると約束してくれた。これは多大な利益になる……!」 「───ッ!」 「あとはマティルダの身の潔白を皆に伝えれば……!マティルダ、よくやってくれた!ガルボルグ公爵にも知らせねば……!」 「待ってくださいっ!父上はっ、父上は俺よりもマティルダを取るというのですかッ!?」 ローリーは大声で叫んだ。 自分はゴミのように捨てられてしまうかもしれないのに、ローリーが捨てたはずのマティルダは英雄扱いである。 (納得できるわけがない……!こんなことは絶対に許されないっ) しかし返ってきた言葉は冷たいものだった。 「お前に選択権はない。もう終わった話だ。ライボルトと同じ場所に行きたくなければ、部屋で大人しくしていろ。これでも処遇を軽くするのに苦労したんだ」 「……!」 「ローリー、これは致し方のないことだ。恋に浮かされて騙された自分を恨むんだな。お前は判断を誤ったのだ。それもあと数日で本人に処刑されることが伝えられる」 「シエナが、処刑……」 しかし彼女を庇おうとは思えなかった。
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