四章 最強の夫婦

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僅かな変化ではあるが視線を感じた時は大体、ベンジャミンがマティルダを見ている。 どうしたのかと問いかけてみても「なんでもないよ」と言って、はぐらかされてしまう。 (ベンジャミン様、どうしたんだろう……?) あまりにも毎日その状態が続いたので、気になったマティルダはベンジャミンがいない間を見計らって、薄紫色のよく喋る鳥、トニトルスと相談しつつ魔力を放出していた。 「なんだか最近、ベンジャミン様の様子が変だと思わない?」 『あら、ベンジャミンはいつだって変よ?今更そのことに気づいたの?』 「そうかな?」 『大丈夫。アンタも十分変よ』 「そういうことを言いたいんじゃないの……!最近、ベンジャミン様が不安そうにしているというか、何かに怒っている感じかしら?出かけることも増えたし……ス、スッ、スキンシップも多くなったような気がするのっ!」 何かを埋めるようにマティルダの存在を確かめると、フラリとどこかに消えて、またマティルダの元に来て抱きしめてと繰り返している。 バチバチと手から電気を放出しているが、トニトルスは気持ちよさそうに美しい羽根を広げている。 『アンタはいつも呑気というか鈍感というか……』 「やっぱりベンジャミン様は何かに悩んでいるのかしら」
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