四章 最強の夫婦

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「ですが、わたくしは国に帰るよりも塔の外に出たいです!」 「…………!」 「外に自由に行き来できたらもっと幸せです」 「マティルダが外に……」 「もちろん、ベンジャミン様の話を聞いて、森が危険なことも理解しています。ですがわたくしは小さな魔獣ならばひとりで倒せますし、ベンジャミン様に鍛えていただいた力もありますから、多少のことでは負けませんっ!」 「…………」 「これから二人で楽しく暮らしていくためにも、そろそろ外に出てもいいのではないでしょうか!?」 マティルダは一カ月も外に出ていない。 この生活は好きだが、さすがにこのままだとどうにかなってしまいそうである。 こちらもトニトルスに相談してみたが、やはり「ベンジャミンに直接、説得した方がいいわよ」と言われてしまったのだ。 いつもはベンジャミンの見えない圧に屈していたが、今日こそはと一歩踏み出したのだった。 「でも……心配なんだ。もしマティルダに何かあると思うと正気じゃいられない」 「わたくしもこのままずっと塔の中にいたら正気ではいられません!」 「…………!」 「や、やっぱり気分転換は必須だと思うのです……っ!それにたまには裸足で野原を駆け回りたいです。それに甘いものの食べすぎて太ってしまいました」
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