四章 最強の夫婦

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ベンジャミンの傷つくはブルカリック王国でのマティルダへの不当な扱いを指していて、マティルダは魔獣や虫に襲われて怪我をしてしまうと思っていた。 先程のベンジャミンとの会話内容からして譲歩してくれるのかと思いきや意外と頑なである。 だがマティルダだってベンジャミンのことは大好きだが、この塔の外に出て、あの気持ちよさそうな草むらで昼寝をするために頑張らなければならない。 「わたくしもベンジャミン様と一緒に買い物したり、外で昼寝したりしたいのです!」 「僕と一緒に?買い物と昼寝……」 いつもとベンジャミンの反応が違うことに気づいたマティルダは先程の会話を思い浮かべる。 (もしかして、ベンジャミン様は〝一緒〟という言葉に反応したのかしら) 今まで思いつかなかったが、マティルダの「外に出たい」に対してベンジャミンは「マティルダが傷つくからダメ」と言っていた。 となれば、単純に傷つかなければいいのではないだろうか。 そして共にいるのは最強の魔法使いと名高いベンジャミンである。 意を決してマティルダは声を上げた。 「ベンジャミン様が一緒ならば、わたくしが傷つくこともありませんし、危険もないでしょう?」 「一緒……」 「はい、一緒です!!!」
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